瞑想の効果とは? 「瞑想のすごい効果」について考える: フロー状態・西田哲学

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「瞑想の効果が出るまで、どのぐらいの時間かかるか?」 そんな質問を、ネット上で時々目にします。

 

瞑想の効果についてネットでよく見る質問は、

*「瞑想の効果、いつから出ますか?」

*「瞑想10分で効果は、どのぐらいですか?」

*「瞑想の効果がない」    という様な質問です。

 

いずれにしてもほとんどの人の瞑想への関心は、「日常生活でどのように瞑想が役立つか」です。

 

この辺りについては、最近のマインドフルネスのブームで、かなりリサーチが進んで来ています。

 

効果が多少おおげさに、効果が宣伝されていると、気にしている研究者もいますが、

 

ここ数年は特に、瞑想が広く注目され、大きな企業などでも採用され、とても素晴らしいことです。

(参考:インテル社が導入、「瞑想で業績を上げる」マインドフルネスプログラム

フロー状態・ゾーン状態

「瞑想する」事と、色々な活動の「パフォーマンスが上がる」ことの関係については、

 

「ゾーンやフロー状態」とつなげて考えると、分かりやすいと思っています。

 

時々プロのスポーツ選手が、「ゾーンに入る」という様な発言を、最近見かけます。

 

「ゾーンやフロー状態」に入る事が、仕事やスポーツのパフォーマンスを上げる事は、

 

最近は色々な本にも書かれているので、皆さんもご存じかと思います。

瞑想はゾーン・フロー状態に入る練習

ある意味瞑想は、フロー状態に入る練習をしてるようなものです。 そう考えてみると、瞑想の効果について分かりやすくなると思います。

 

ざっくり言えば、瞑想もフローも、「没入状態」のことで、そこでは「自分意識がなくなっていく状態」のことです。

 

* フロー状態とは  ⇒ 「ある活動に深く没入して、他の事が気にならなく、それをしている事がとても楽しく、純粋にそれを追求するために、時間も労力も喜んで費やす状態」の事です。 (チクセントミハイ:フロー体験 喜びの現象学)

 

簡単に言えば、ある活動に没入し、とても楽しく幸せで、自分意識が弱くなって、高いパフォーマンスを発揮している状態です。

没入状態を深める

集中状態が深まった没入状態をさらに深めるには、「自分意識」を捨てていくことが必要です。

 

自分意識が強いとそれが邪魔になり、自分の行っている活動や意識の対象に、没入しにくいからです。

 

瞑想はある意味、フローの様には何かの活動はせずに、「没入状態に入り、自分意識がどんどん弱くなっていく事」です。

 

瞑想はフローよりも、より没入状態を純粋に追求し、自分意識からさらに抜ける事で、その抜けた状態を極める事です。

 

ですからざっくり言えば、自分のゾーンやフローを「深めていく練習」を、

 

瞑想することで、いつの間にかしているとも言えるかもしれません。

 

そこから考えると、「瞑想の効果がすごい」という様なネット上の体験を、時々見かけるのは、

 

瞑想などを昔研究していた、自分の感覚から言えば、ある意味当たり前というか、「予想の範囲内」と思っています。

 

フローの様な「没入」状態を、硬い言葉で言えば「主客同一」の状態と言います。

 

自分が、極度の集中状態になり、その時の活動や、自分が見ている物等に、入り込み「同一化」してしまうという事です。

 

仕事のパフォーマンスをあげる為の瞑想とは?

では、仕事やスポーツのパフォーマンスをあげる為に、瞑想についてはどうすればいいのか?

 

これについては、まず雑念対策だと思います。

 

ほとんどの人は、雑念だらけで、余り瞑想はできていないと思うからです。

 

特に初心者は瞑想どころでないかと思います。

 

雑念対策なしで、瞑想し続けても、泳げない人が、海に入るようなものです

 

雑念の波にのまれて、瞑想は十分できないうちに終わってしまいます。

 

参考: 雑念対策の為の動画のリストです。)

 

瞑想とは、自分という「ラジオの周波数を上げる」こと

瞑想とは本来は、本格的なるほど、日常の感覚や世界から離れていきます。

 

いつもの自分と離れていくので ⇒ いつも分からない事がが分かる、いつも気がつかない事にきがつく。

 

逆に、自分の毎日の生活に集中して、そこに「意識が狭く固まっている状態」は、

 

本来の意識の状態とは、正反対、真逆の状態なのです。

 

ラジオの周波数を例えて言えば、いつもは、TBSラジオだけしか聞けない状態です。

 

ですから、自分と言うラジオの周波数のチューニングを、広げレベルアップするのが瞑想だと考えると分かりやすかもしれません。

しかし、「本来の意識の状態」、すなわち、元々の意識の状態とは、

 

際限なく、限界なく、どこまでも、広がって、広々と、無限に行き渡っている状態です。

 

そして、この状態に近づくことが、本当の意味での、「自由」や「幸せ」を、段々と味わって行くことになるのです。

 

普段の「意識が狭く固まっている状態」では、普段の場所から見える、例えば「自由」や「幸せ」などしか、分かりません。

日頃のパフォーマンスを離れる

そのように、日頃の自分を離れることで、どんどんと自分の意識が広まっていくこと。

 

深い深い世界を、段々と垣間見ること。

 

これが瞑想だとすると、

 

日頃のパフォーマンスから離れていくことも大切なのは、理解できるかと思います。

 

確かに「日常生活でどういう風に、瞑想が役立っているか」という意味の「効果」も、勿論大切です。

 

しかし、もともとその辺には、瞑想の目的はありません

 

日頃の日常生活の向上より、もっともっと深いところを狙っています。

ですから、瞑想中に、自分の瞑想状態がどのぐらい進化・深化しているのかを、「効果」として考える事が、望ましいです。

 

これを中心にする方が、本格的な瞑想になるからです。

 

 

西田哲学・フロー・瞑想

フロー状態を、西田哲学で置き換えると、「主客合一・純粋経験」の入り口あたりになり、

 

それを瞑想で深めていくことが、自分の「純粋経験」を深めていくことに相当します。

 

フロー状態を、どんどんと無限大までに深化させていくと、一体どうなるのか。。。というのが、言ってみれば「瞑想」だと、例えられるかもしれません。

 

没入状態を進めると ⇒ 主客同一状態になり、それが深まります

 

主客同一状態が深まる事は ⇒ 自分意識が弱まり、普段の自分から離れぬけていくことです

 

自分意識が弱まり、普段の自分から離れぬけていくことは ⇒  自分を超えた広い意識・場所に、自分自身がなっていくことです

 

これの先に、絶対無(の場所)があるという事になります。

 

深い状態が、突然起こることも

ただし、瞑想中でしか普通は味わえないはずの深い状態が、突然普段の生活中に起こる事も、ありえます。

 

ですから、「瞑想状態」であるはずのものが、瞑想しないでも、又瞑想が下手でも、

 

急に起こってしまう事も、時にはあるのです。

 

例えば、宗教哲学などででてくる 神との合一体験をした人は、瞑想中にしたのではなく、突然に起った人も沢山います。

 

そして、「瞑想は何であるのか」というのは、とてもとても難しい事だと、前回お伝えしましたが、

 

もし瞑想とは、「深い状態を可能のするもの」だと定義すると、深い状態に入るためには、お祈りでも可能な人もいるので、

 

お祈りと瞑想の違いは、微妙になる事もあるかと思います。