Wisdom2.0Japan 2021 二日目に参加して Living Wisely in the Digital Age
<Wisdom 2.0 Japan 2021 に参加して 2日目>
~ 宗隆 フォラル 禅僧: 環境問題や核戦争の最大の脅威は人間の心: 親切心や愛の心に基づいた社会的な枠組みが必要
~ 佐久間裕美子さん: 小さな成功体験のつみ重ねで市民による革命を: 自分の苦しみの共有は多くの人に悩みを話す場を提供する
今年のWisdom2.0 Japan に先日参加しましたので、ここで簡単に2日目の感想をシェアーしたいと思います。
Wisdom2.0は、アメリカで始まった大規模なマインドフルネスの国際カンファレンスです。
アメリカでは12年も続いている会議で、フェイスブックやグーグルなどのグゼクティブも出席するマインドフルネスや瞑想・スピリチュアル系の会議として知られています。
今年のテーマは「テクノロジー時代のウエルビーイングを考える」でした。
今回2日目に登壇した、アメリカ人の禅の僧侶、SONRYU FORALLさん(宗隆 フォラル 禅僧/Monastic Academy)さんのお話素晴らしかった~です!
他にもたくさん良いお話がありましたが、ニューヨーク在住の佐久間裕美子さん(文筆家)の「市民革命」の話もすごくよかったです。
ぼくにとってはWisdom2.0はマインドフルネスというイメージが強く、「市民革命」が、マインドフルネスの会議とどうつながるのか?って思っていましたが、
いやいや、そんなことはない~~ 素晴らしいお話を聞けたなと今は思っています。
宗隆 フォラルさん 禅僧/Monastic Academy主幹 人間の心が発達していなければ、世界に対しての凶器に
ではずはじめに、アメリカン人の禅の僧侶、SONRYU FORALLさん:宗隆 フォラル さんの話を紹介します。
彼の事を野球で例えるならば、「まじ直球しか投げない人」ということでしょうか。 素晴らしいわ~~
もう、剛速球ですわ~ しかもど真ん中だけ。要するに「大切な事だけ」で、そこから一歩もずれない。
真ん中の本質だけを語るので、変化球は一切興味なし。そんな感じです。
彼の発言から、メモしたことを拾ってみると。。。
* 子供のころから、昆虫が大好きで、昆虫を見つめては喜んでいたが、小さな生き物や動物たちが、人間に簡単に傷つけられたり、いとも簡単に車にひかれたりする光景に衝撃を受けた。
* その様な、とんでもないスピードで多くの生物を殺し続けている毎日の苦しみが、自分の中での怒りに発展し、怒りをコントロールできなかったときに、仏教についての本当に小さな記事を読んで、答えがここにある事がすぐに分かった。
(このあたりなんか、「普通の人間じゃない感」が、満載でした。)
他にも、
* 今の人間は多くの場面で mind of competition and mind of greed, (競争心や強欲の心)を使って、毎日生きてしまっている。
* 逆にMIND OF JOY, やMIND OF KINDNESS (喜びの心、親切心)で接するとき、一人の人間が、周りの社会を変える。 だからそのレベルから社会を変えて行くことが大切だ。
彼の様に、素直に当たり前な事を当たり前に話す重要性を感じました。
* 人間の心が発達していなければ、世界に対しての凶器になってしまう。
* 例えば、環境問題やテクノロジーや軍事的脅威の最大の問題は、人間の心そのもの。
これは強く同感します! AI社会がこれから急激に深化する局面で、AIというテクノロジーの脅威の前では、心の成長が不可欠になっていきます。
社会的な構造改革については:
* 親切心や愛の心を育てる、内側のpractice、要するに内側の成長/気づきを重視するパラダイムを作り、
* 親切心や愛の心に基づいた社会的な枠組みや組織を広げていくべきで、テクノロジーはそのためにとても重要な役割を果たしてくれる。
ざっと僕の心に刺さったところでは、こんな感じでした。
要約すれば、内側のテクノロジー=人間の意識の成長で、外側のテクノロジーを上手く使い、環境問題や核戦争の危機がら脱する。で、これを禅の立場から淡々と話す。
まあ~すばらしい。 直球での勝負!って感じで、ダルビッシュ投手みたいな本格派を見てるみたいな。。。
そして、この直球が磨いてあるから、ズバズバ説得力がある!! 来年また聞きたいわ~って、まだ早いか。。。
佐久間 裕美子 文筆家 革命は起きるのではない。私達が起こすものなのだ
次の講演の、佐久間裕美子さんのお話も、とてもよかったです。
「革命は起きるのではない。私達が起こすものなのだ。」
「自分以外の誰かのために、声を上げたり、行動を起こすから、「We」なのだ。」という「Weの市民革命」の作者で、NY在住の佐久間裕美子さんの講演です。
佐久間さんのお話を来ていると、社会的な少数者で、差別・抑圧されている人たちへの優しさや連帯感を、まず感じました。
マスメディアなどには普通取り上げられない、色々な深刻な社会問題や、少数者の立場。
社会全体で差別や抑圧をどうやって取り除いていくかという観点から、社会の改革運動を提唱されていました。
環境問題や、社会的に根の深い偏見は、問題が大き過ぎてしり込みしてしまうというか、絶望・あきらめムードに、ついなりがちなもの。
「一体この小さな自分に、何できるんだろう???」って思いがち。
でも、佐久間さんの「市民革命」って、今回のお話を聞いていると、ここでの気持ちの持ちようがとっても大切だというお話です。
「どうせかわらないよ。。。」「どうせできないよ。。。」では許されないので、
個人一人一人がが 「市民革命」の主語になるチャンスと考えて、声をあげていく大切さを強調されていました。
*「社会はかわらない。。。。では、社会が主語にとどまっている。」
* 結果はどうでも、まずやってみることが大切!
* 自分を主語にして、自分や自分達が変わっていく、社会的な「プロセス」を大切にしよう!
環境問題なんて問題としてあまりに大きすぎて、日本政府でさえ無力なのに、一個人には「どうせだめだ。。。」ってなりがちだけど、
佐久間さんは「大きな勝利体験がなくても、小さい成功体験や進歩の積み重ねを進めて行く」ってことを強調されていました。まさにそうですね!
いきなり勝ち続けることの代わりに目指すもの
いきなり大きな勝利体験を目指しても、自滅するだけ。
小さな一歩の積み重ねでしか、どんな時も変化は起こせない。
「どうせ無理、どうせだめ」という、あきらめ病を、社会に蔓延させたら、それこそヤバい。
「どうせ無理」ではなくて ⇒ 「あっ、できる、あっ、変われる」に変換する
そのための、小さい成功の積み重ね戦略を大切にしていきたいものですね。
そんな佐久間さん、マインドフルネスや瞑想にもとっても興味があり、それで今回のwisodom2.0Japanにも呼ばれたのでしょう。
でも、ヨガやマインドフルネスなどを実践されても、現在でもまだまだダークで、時々は落ち込むときもあるとのこと。
かつては、かなり精神的に追い詰められたこともあったそうです。
昔すごく追い詰められた時に、病院ですぐお薬もらって、それで直ぐにお終いになる。。。。と思ったら、
なんとまあ、入院まですることになってしまった。。。
でもこの病院で「あなたにはヘルプが必要だ」と言われないと、ヘルプが沢山必要な、やばかった自分の状態は、自分では全然気が付けなかった。
で、そこで自分の内面に対面させられ、とっても大切な貴重な学びをさせられた。
と、ざつとこんなお話でした。
苦しみを共有するということ
キレイなキラキラした面だけではなく、そんな自分の苦しい話、悩みや泥の中にいた話には、実は他人を助けるというお話も、とても印象的。
本当に、世の中は苦しい体験がたくさんある。だから、苦しんだ体験をシェアーするのはすごい世の中には大切ですよね。
シェアーすれば、皆がその話をもとに、自分の悩みを打ち明けてお互いにシェアーできる場所を提供できることになる。素晴らしですね~
オンラインの参加者の方達からも、様々なコメントが沢山寄せられました。
* 有能でないと受け入れてもらえないという孤独感
* 男性的な「負けたらいけない」というマッチョなマインドは自分を苦しめている
* 仕事が上手く行っていない時には、世界から取り残されているのではという恐怖心
などなど、気づきの多いセッションでした。
盛りだくさんの今年のWisdom2.0Japan2021でした。
来年のWisdom2.0Japan2022に向けて、僕が感じたことを次に簡単に書いておきます。
Wisdom2.0 とレジームの転換点
環境問題から、瞑想、心理学、マインドフルネス、社会運動、などなど、テーマが多彩で、感覚が新鮮。お陰様で楽しい2日間を過ごせました。
Wisdom2.0は大きく言えば、地球全体のレジームチェンジについての会議。多彩な分野から意見を交換しあって、大きな大きな構造変革を目指すもの。
であれば、もう少し「ラディカルな」、まだなかなか受け入れられていない意見や方向性が、少しあるといいかなとも思います。
今回の様に社会に「受け入れやすい」感があり、その点がうまく考え構成されていて、ビジネス界にでも「きちんと提示できる、恥ずかしくない」様な、その安定感や信頼性は、もちろん素晴らしいのです。
ですがこのある意味「安全飛行」による代償もあるかなとも感じました。
例えば、テクノロジーに関して言えば、我々の想像を絶する様なテクノロジーはすでに沢山あるのです。
凄すぎるぐらい凄い技術が、どうして社会の前面に出ないで、隠蔽されているのか?そのダークな歴史も含めて、一般市民が目覚めなければならないことは山積しています。
次世代のOSを目指すには
wisdom2.0japanのホームページには:
「Wisdom2.0Japanでは、いま一度、日本にあるWisdomの価値を再発見し、伝え方を再編集し、
日本のマインドフルネス、Wisdom=叡智をこれからの世界を創造していくためのOSとして、
世界に発信する機会にもしていきます。」 とあります。
本当の宇宙の姿は、我々の想像をはるかに超え、重層的で無数の多次元が重なり合っています。
これを理解できないのは、大多数の現代人がアクセスの方法を知らないだけ。変性意識を扱えないだけです。
この「変性意識を扱わない」のが、今の社会の最大のOSの一つです。
もし世界へ次世代のOSを発信するなら、この現在のOSをアップデートしていきたいものです。
そして、この新しいOSとは当然3次元の上に構築するものに限りません。異次元の中にも構築していくものです。そのための人材育成が欠かせません。
そして、本当のマインドフルネスとは全てが全てを、常に既に完璧に、マインドフルになっているというすでに存在・成立している「事実的意識」のこと。 (本当のマインドフルネスとは何か参照)
これからは、この辺りにも話が届くようなマインドフルネスの会議にしたらいいかなと勝手に思っております。
コミュニティが育つことで、OSが自動アップデートしていく
今回は裏方のボランティア役として、オンラインでの盛り上げ役としてのの、質問やコメント係として参加させていただきました。
お陰様でとても楽しい一日でした。ありがとうございました。
去年もそうでしたが、ボランティアのスタッフが献身的で、ほんと素晴らしい!
こういう波動の高いコミュニティが他にもたくさんできていくことが、新しいOSを育てる事には欠かせません。
新しい時代には、新しい感性や才能(山口さんの「天才性」にもつながる)をもつ人材が必要です。その育成・交流の為のコミュニティが不可欠です。
雨後の筍のごとく、雨のあと沢山のたけのこが、どんどん育つように、色々なコミュニティが育ってほしいものです。
来年のWisdom2.0Japan2022も楽しみにしています!